瀧夜無々
#なんでも
まだ、見たい景色があった。 透けるほどに青い空とか、満点の星空とか 碧いほどに痛い葉っぱとか。 夏霞も、花曇りも、月夜も闇夜も、 流星群も、蒼い風も、光の音も、 人々の瞳の奥の色だって見たかった。 全てを貴方と2人で、見たかった。 今更、ここでこんな言葉を吐いても 意味がないことだってわかっている。 私が突き放した。 依存されるのが怖かったのか、 依存してしまうのが怖かったのか。 生まれて初めての愛を、 恋を信じられなかったのか、 貴方を傷つけてしまうのが怖かったのか。 本当の私を貴方に見せるのが怖かったのか 今も考えてはみるが、答えなんてものは どこにもなくて、ただ言葉が溢れるだけ。 きっと、この出逢いにもこの別れにも 意味なんて一つもない。 それがわかっているのに、 貴方を想ってしまう。 うまく、笑えただろうか。 うまく、演じられただろうか。 恋を、愛を拒んで自分を犠牲にして貴方を 守り傷つく。そんな風に美しく散る、 桔梗の花になれただろうか。 今日も何も見えないまま、 ぐるぐる考えては何も聞きたくなくて 目を閉じて、耳を塞ぐ。 こんな日々に、終止符を打てるなら……。 そう考えてはやめる。 いい加減、馬鹿らしいからこんな真似 やめたほうがいいのもわかっているのにな
