生の悲しみ
#なんでも
母へ あなたが、産まなきゃよかった、と呟いたのを私だけが聞いてしまいました。2、3年経ちますが、常に私の心の底にはあなたの言葉があります。あなたのため息を聞くたびに産まれなきゃよかったと思っています。私はまだまだ若いですが、きっと一生この言葉と生きていきます。あなたの優しさを知っています。でも私はあなたの愛を上手く受け取れません。あなたが作る弁当を毎日1人で食べています。弁当なんか食べずに私は早く教室から飛び出したいのです。弁当を食べるのが辛いのです。あなたが早起きをして弁当を作ってストレスを抱えるなら、私が生きるための弁当なんて作らないでほしいと思ってしまいます。学校の送迎も申し訳がないのです。朝早く家を出て、夜遅く塾に迎えてもらうことが申し訳ないのです。あなたが腰の痛みを訴えたり、ため息をついたりするたびに私は己を殺しています。あなたがよく喋ることを疎ましく思ってしまう己に嫌気がさします。 お金がないと言いながら無駄遣いを好むあなたを好きになれないのです。高いご飯もお菓子も私は求めていません。新しくて大きいテレビが欲しいとか、旅行に行きたいとか、丸出しの欲望を口に出すあなたを好きになれません。身勝手な幻想を抱いてごめんなさい。早くあなたから離れなければ私は己を本当に殺してしまうのではないかと、己の気が狂ってしまうのではないかと。