瀧夜無々
#なんでも
愛されたい。どこまで頑張っても 本当に欲しいものは手に入らない。 愛されたくて、捨てられたくなくて、 ずっとずっと努力してきた。 勉強、おしゃれ、運動。 性格も人柄も言葉遣いも周りに合わせた。 「私」を塗りつぶして常に「いい子」を 上書きして投影してきた。 どこまで頑張っても、自分の軸を 完全に失うまで上書きし続けても、 勉強のしすぎで心を壊しても、 おしゃれに興味が持てなくて お店で泣きそうになっても。 誰だって助けてはくれなかったし、 愛されることは終ぞ無かった。 今年一番の学びは頑張れば報われるとか そういったキラキラした言葉は 全て詭弁だということだけだった。 詭弁を信じれば楽になれたのかもしれない でも、もう手遅れだ。 私は詭弁を信じて溺れるには、 現実に堕ちすぎてしまった。 もう、終わりにしたい。 せめて、あの子だけは幸せになってほしい そう願いながら綺麗に散りたい。 散ることのない花でいるのは疲れた。 桔梗の季節はもうとっくに過ぎたんだよ、 もう散ってもいい時期なのに、 なんで私はここに居るの……?
