あえ
#なんでも
吹奏楽部に憧れて入った中学。 中高一貫の女子校で吹奏楽部はほとんどが高校生。 無事に入部もできて最初の1年とにかく先輩方に追いつけるように必死で練習した。 中学生の先輩はその年1人もいなかったから中学生はもう1人の同級生と2人だけだった。 とにかく練習して難しいことも多かったけど部活の活動が、楽器を吹くことが、音楽をすることが本当に楽しかった。もちろん上手く行かなくて嫌になりそうな時もあったけどなんとか立ち直って頑張った。 2年生に上がった時、強豪の吹奏楽団に入ってた子が後輩として入部してきた。 私はまだまだ未熟だからむしろ中学生が増えて嬉しかった。 でもその年から先輩の態度が変わった。 もちろんもう中1じゃないことはわかってるし技術もあげなきゃいけないことも承知しているんだけどそれに関係なく高3に上がった先輩の私へのいじりが酷くなった。 先輩が2人組でいじめまではいかないけど『私』にだけ明らかにからかっている。 ある日部活で新しい曲の案が欲しいと高3の先輩から全員に告知があった。 私は何をしても変にいじられるから何もしなかったけど数日たっても誰も曲を入れてなかったみたいだ。 これで曲を入れたらでしゃばりだと言われるかもしれない。 そんなかっとうと戦いながら勇気を出して曲を入れてみた。 次の日。みんなも前で先輩が言った。 高3の先輩「この間言った曲の案まだまだ募集してるからよろしくねー! …あ! 昨日は〇〇ちゃん(私)が入れてくれました〜笑笑」 やめときゃよかった。 なんで曲入れたりなんかしたんだろう。あの時の自分がほんっとうに馬鹿みたいだ。 あんな馬鹿にするような口調でみんなの前で大声で言われて。 言われた時はもうみんなの顔なんて見てない。みんながどこを向いててどう思ったのかもわからない。 もう余計なことはやめよう。 それからはもう人と話すのが怖くなった。 人と話せなくなった。 あの高3の先輩をしたっている高2の先輩も一緒になっていじるようになった。 私の少しの言動がみんなに拡散されていくのが怖くて常に怯えているようになってしまった。 忘れ物や遅刻なんてしたらもう恥で死にそうなくらいだった。不幸にも私はそれが多くてどうしても改善できないのが悩みだった。 だから何度も何度も死にかけた。心は死んでたかもしれない。そうやって息を潜めて波風立てないようにしてさらにいじられた。 本当に私だけにだった。 もう声も出すことが辛くて仕方ない。 私が楽器紹介で吹こうと思ってたジブリの短い曲も『マイナーだからわからないでしょw』とか言われて勝手に変えられた。あんなに練習したのに。 案の定すぐには上手く吹けなくていじり先輩たちに囲まれて、動画を撮られながら指導された。 急に初見の曲を出されて、怖くて泣きそうでずっと震えて涙を堪えるのに必死で上手く吹けなかった。 上手く吹けないと自分の動画を見せられて、表情が硬い。しっかり音当てろって怒られて笑われてまたもう一回。 他の先輩に助けを求めたくてもダメだった。誰も近づけなかった。 地獄が早く終わるのを願いながらただただ絶望していた。 やっと終わってから数十分必死で耐えてた涙が一気に溢れてきた。楽器が大嫌いになった。 今まで以上に気配を消して生活した。 もう息苦しくて仕方なかった。 そんな先輩が卒業して私が中3になった今年。 もう大丈夫だ。もうあの人たちはいない。また新しく入ってくる先輩と仲良くできるようになろう。 そう思っていたけど去年わたしをいじっていた高2が高3として残っていた。 そこからはもうダメだった。 人と話せなくなったから案の定誰とも対話できない。 みんな仲のいい同級生か後輩にしかアドバイスしなくて、同じ楽器のわたしには愛想笑いしかしない。 もうダメだ。 ここにいて意味はない。クラスもクラスでおんなじようなので悩んでたし唯一の同級生も急に性格悪くなって部活辞めてしまった。 学校も家も居場所じゃないな。 どこか遠くに行ってしまいたい
