無彩
#なんでも
二学期からまた学校に行かなきゃいけないのかな。怖くて仕方ない。 部活だけ行けたらいいのに。優しい先輩、綺麗な楽器の音色…。あの空間が大好きだから。 一学期末の三者面談で先生、親、自分と一対一。 親が先生に自分が学校に行きにくく感じていること、辛がっていることを全て赤裸々に話した。 ちょっと待ってよ。なんで先生に言うの?関係ないじゃん。やめて、バレたくないよ。 どんなに辛くても、苦しくても、泣き出したくても、一生懸命守ってきた学校での自分の「イメージ」が、 崩れていく音がするような気がして冷や汗と動悸が止まらなかった。 先生は無理に聞こうとせずに親の話を黙って聞いて、自分に「別室登校」を進めてきた。 そんな制度があるなんて知らなかったし、それを聞いて少しだけ期待を抱いた。 もう教室に入らなくてもいいのかな、先生の怒鳴り声も、クラスの悪口も聞かなくてもいいのかな…。 でも、家に帰ってからはたと思った。これって、厄介払いと同じじゃない? おかしいのは自分じゃない。おかしいのは、自分をこんなにしたのは全部全部あの「クラス」のせいなのに。 どうして自分が変わらなきゃいけないの?おかしいのは個人じゃない、周りが変わらなくちゃいけないんだって、 授業中に言ってくれたのに。また目の前が真っ暗になって、少しでも先生を信じてしまった自分を恨んだ。 またバカなことしようとしてた。もう「学校」も、「先生」も信じないって決めてたのに。 確かに学校は嫌いだ。でも、少なくともこんな自分と関わってくれる大切な友達と過ごす時間までもが嫌いなわけじゃない。 かつての友達も、親の信用も、学校でのイメージも、今まで全部奪われて、失ってきた。お願い、もう何も奪わないで。