あか
#なんでも
ねぇ。おかあさん、おとうさん。あなたたちはうち、いや、僕のことをどう思ってるの? 特におかあさん。あなたはいつも僕に障碍者っていってくる。それを聞くたびに僕は苦しくなる。 自分の親って言われてる人があぁ。こういう人なんだなって。偏見と差別の人なんだなって。 だからなにもこの家庭のことを思わないんだなって。後はただただそういう考えを持ってるおかあさんが 可哀想だなって。そんな幼稚なバカみたいな思考をしてるんだなって。ほんとに可哀想。 おとうさんには最近まではいい人だと思ってた。ほんとに知らなかったの。借金を抱えてて、 そのせいで家が貧しくて全然周りと一緒になれないなんて。自分のせいだと思ってた。全部。 でも違ったんだね。当然だったんだね。僕のせいじゃなかったんだね。やっと軽くなれた。 本当は暴言を吐いて、殴ってくるこの人たちが嫌いだけど、僕も同じだった。 少しイラついたら暴言を吐いて、殴るふりをして。でもね。知らないの。ほかにどうすればいいのか。 ねぇ。教えてよ。誰かさ。どうやったら人を愛せるの?どうやって愛せばいいの?わかんない。 今まで愛をもらったことなんてなかったのに、どうやって知らないものを返せばいいんだろう。 だからこそ笑顔をできるように練習した。誰にもばれないように。普通じゃないのを悟らせないために。 もしも、もしもだけど。みんなみたいな普通の子供で普通の家庭だったら。もっと友達もできてたのかな。 心から笑えていたのかな。人にやさしくできたのかな。狂わなくてよかったのかな。 このおかしな心の性のことも打ち明けられたのかな。 考えてみた。死ぬの反対って何だろう。思ったのは消えることだと思った。 死ぬのは生きるに組み込まれた機能に過ぎないから。 おかあさん、おとうさん。いままでありがとう。どれだけひどい言葉をかけられても、どれだけ殴られて 蹴られても僕は大好きだったよ。 無条件の愛をもらえるのは子供じゃなくて、子供を産んだ親なんだよ。 どれだけ親が子供にひどいことをしていても、子供は親を愛してしまう。 あぁ。ただただ僕は普通が欲しかったな。ゲームもやってみたかった。髪も短くしたかった。みんながずるかった。 それがすべてです。 みんながんばってね。
