毒舌感想文
#なんでも
氷雨さんに公演の誘いを断った。 当然だ。だって、あんな明るい空気に触れたら、こっちの闇が透けて見えてしまう。 でも、どういうわけか、彼女は家族とも仲良くて、笑ってるって想像するだけでムカつく。 勝手に恨んで、勝手に憎んで。 でもよく考えたら、そうやって嫉妬に塗れた自分の醜さに、心底ウンザリしてます。 こんなにも自分の汚さを隠せずに、ただ醜くなるばかり。 氷雨さんが何か悪いんですか?いや、違う。 問題は、人の幸せを素直に喜べない自分の歪みだ。 そう、自分で自分を貶めてるのは他でもない、このクソみたいな心根。 「家族と仲良し」なんて言葉が、まるで針のように刺さる。 刺さるけど、痛みを感じるのは、他でもない自分の中に空っぽがある証拠です。 だから、誘いを断る自分は正しい、と言い聞かせる。 けど、実は自分の弱さから逃げてるだけなのに。 そのくせ、氷雨さんの幸せに目を背けられない。 結局、私は何もできないまま、 自分の醜い嫉妬と嫌悪に押しつぶされていくだけ。 そんな自分を嫌いにならないほうがおかしい。 だから、今日も一歩も前に進めずにいる。 このまま沈んでいくのはわかってるのに、 ただじっと、氷雨さんの笑顔だけを眺めて、歪んだ心を噛みしめてる。
