雨音
辛いことばかりでも、少しだけ楽しいと思える瞬間があって、でもその度にまた嫌なことが起きる不安がよぎって、少しの幸せな時間も素直に安心して楽しめない。こんなに楽しんだらきっとまたもっと嫌なことが起こるって思ってしまう。家族関係でも、友達関係でも。辛いことも楽しいこともどんな人にでもあると分かった上で、辛いことばかりだと、楽しいと思うことをする罪悪感が増える。どうしようもなく怖くなる。でも楽しい時間をありのままで「楽しい」と思えるのが「普通」なんだよね。 俺、いつからこうなったんだろう。 部活を辞めた今でさえ、顧問が夢に出てきて俺を怒鳴る。睨む。辞めたことを憎んでいるように。別の学校に移動になってからやめたから、会うこともないし、辞めたことも知らないはずなのに。メンバーが言ったのかな。あの時、親に負けずに俺の入りたい部活に行くことが出来たら未来は違ったのかもしれない。結局は全部俺のせい？お母さんが「入れ」って言ったようなもんじゃん。 メンバーには上手くいかないの全部俺のせいにされて、「ちゃんとやって」って言われるけど努力してて、仲間はずれにされても、バカにされても、頑張ってた。 まぁもうやめた話だし、なのに今でも後悔が付きまとう。考えるほどに親を恨みたくなる。顧問も、メンバーも。だけどいつまで経っても心からきえない。 あれ、これも俺のせいか。気にしすぎってみんな言うもんね。でも俺は忘れられない。忘れたくても。 今でも怖い。ずっとずっと。誰か助けて欲しい。